一体なぜ?「冷蔵庫の中」をデコる「fridgescaping」が流行っている
SNSのトレンドというのは大抵解せないようなものばかりだが、ここまで首をかしげたくなるものは、いまだかつてなかったかもしれない。
冷蔵庫の“中”をデコる
「#fridgescaping」
最近流行っているのが、冷蔵庫の“中”を美しくデコレーションするという新たなホームデコ「fridgescaping」。
冷蔵庫の中に観葉植物やお気に入りのオブジェを置いたりと、まるで部屋のインテリアのように、自分のときめく空間をつくりあげていく。
お土産のマグネットやポストカードなど、冷蔵庫の扉や外側を飾りつけることはあったが……これはかなり斬新。
InstagramやTikTokを中心に人気となっており、ブームの火付け役となった上記の動画は、なんと160万回以上も再生。(おそらく)史上“最も注目を集めた冷蔵庫”となっている。
もともと「fridgescaping」という言葉は、冷蔵庫のストック整理に近い意味で使われていたそうだが、2024年、その意味するところはネクストレベルへ。
いまや整理整頓を超え、デコレーションするという文脈で使われている。
もはや自己表現のひとつ
みんな思い思いにデコりまくる
特に人気なのが、Netflixの人気シリーズ『ブリジャードン家』風のデコレーションを施す「Fridgeton」と呼ばれるスタイル。
リボンや白磁のココット、さらにはお花まで使って中世風の華やかな空間を冷蔵庫の中に再現するのが、最高にエステティック(とされているらしい)。
見てみると、ミルクを別の瓶にまで移すというこだわりよう。
ほかにも、イースターなど季節行事に合わせてfrdigescapingをする人や、自分の好きな美術館風に装飾する人など、かなりガチなデコレーションをする人が多数。
ここまでくると、新たな自己表現の一種といっても過言ではなさそうだ。
機能性はゼロ。
でも、実際にはQOLが爆上がり?
お察しの通り、fridgescapingによる「冷蔵庫としての」機能性はゼロだ。
実践している人ですら、「テイクアウトの容器からドレッシングを取り出し、メイソンジャーに入れ替える自分をバカバカしく思う」と話しているほど。
とはいえ、生活に“潤い”を与えているのは事実。
「毎日冷蔵庫を開けるだけでハッピーな気持ちになれる」だけでなく、冷蔵庫に置く観葉植物を育てるために(いずれ凍えさせられる運命ではあるが)ガーデニングをはじめたり、fridgescaping用に買った食べ物を消費するために料理をはじめたりと、このトレンドから波及して、新たな趣味に出会う人も増えているようだ。
かなり意味不明……ではあるが、クリエイティビティを発揮しつつ、ある意味で生活の質まで上げてくれるなら、一度やってみるのも良いかも?
今年イチ、なんならSNS史上「最も謎」と言ってもよさそうなこのトレンド、乗るか乗らないかはあなた次第。